2017年に講師を担当したセミナーにて、セミナー前後やアンケートにていただいた質問への回答をまとめました。
もっといい方法や異なるアプローチがあれば、ご指摘くださいますとありがたいです。
アクション作成時に[ファイルを閉じる]を加えると、[アクション]パネルが消えてしまいます
次の状況時に再現するようです。
- アプリケーションフレームON
- 環境設定の[ドキュメントが開いてない時に「スタート」ワークスペースを表示する]がON
[ドキュメントが開いてない時に「スタート」ワークスペースを表示する]をオフにすると解決します。
変数のときに作ったCSVは、データセットを作ったあとは消しても問題ないでしょうか?
問題はありませんが、いつどのように追加や修正が来るかわかりませんので、私なら数年間消すことはないです。
変数を使うとき、画像のパス(場所の指定)はどのように行えばよいですか?
CSVファイルから見た相対パスで指定します。
アクションを使う際、アクションを作成したときとは異なる階層に保存したい。PSDファイルを同じ階層にJPEG形式で書き出すなど。
[バッチ]ダイアログボックスを開き、次のように設定します。
- [実行後]を[フォルダー]に設定
- [実行後]のフォルダーを[ソース]と同じ階層に
- [“別名で保存”コマンドを省略]オプションをオンに
[“別名で保存”コマンドを省略]オプションをオンにすると、次のようなダイアログボックスが表示されます。
このとき、ファイル名の命名規則を設定することができます。
- 右側で設定したものが左側に表示される
- 検索置換を行う機能はない
スクリプトを使っていたのですが、Photoshopをアップデートしたら消えてしまいました。
最近のIllustratorやPhotoshopは、最新版をインストールする際、古いバージョンを削除してしまいます(設定によって、消さないようにすることも可能)。
その際、スクリプトファイルは、アプリケーションフォルダー内にあるために消えてしまうのです。そこで、原本は、別におき、シンボリックリンクを使いましょう。
シンボリックリンクとは
シンボリックリンクは、Macでいう「エイリアス」、Windowsでいう「ショートカット」に近いものですが、アプリケーション(やOS)から「実体があるもの」として見なされます。
これを使って、PhotoshopやIllustratorをだますことができます。
OS | cf. | ユーティリティ |
---|---|---|
Mac | エイリアス |
|
Windows | ショートカット | Link Shell Extension |
- 知っておくと何かと重宝するシンボリックリンクを Mac で作成する方法 | R
- MacOSX - 相対パスのシンボリック・リンクを作る Automator ワークフロー - Qiita
- Dropboxフォルダ外にあるフォルダをシンボリックリンクを使って同期する | 忘れ荘
- DropBoxとシンボリックリンクをつかって複数台PCのDropboxフォルダ以外のローカルデータと同期させる方法 - 自分でなんとかするWeb
- Dropbox + シンボリックリンクでDropboxフォルダ外のファイル同期も自由自在になる@Windows - 192.168.0.1 プライベートとゲートウェイ
- Windows Vista/Windows Server 2008でシンボリック・リンクを作成する - @IT
Photoshopを英語版として起動する方法について教えてください。
macOS版では「/Applications/Adobe Photoshop CC 2015/Locales/ja_JP/Support Files/」にある「tw10428.dat」を「_tw10428.dat」のように変更してからPhotoshopを再起動します。
異なる名前なら何でもOKです。削除しないようにご注意ください
製品の言語を変更する
Creative Cloudデスクトップアプリケーションの環境設定で言語設定を変更しても、英語版にはなりません。
いったん、アンインストールし、その後、再度インストールすることで、その言語版になります。
つまり、こちらの方法では、共存できません。
[かすみの除去]は手ブレ写真にも有効ですか?
いいえ。手ブレ写真には「ぶれの軽減」フィルターを使います(CC以降の機能)。
- Adobe Photoshop でのカメラの振動による画像のぶれの軽減
- 手ぶれによるボケを補正 | Adobe Photoshop CC tutorials | Adobe Photoshop CCチュートリアル
手ぶれ写真に効果てきめん「ぶれの軽減」 | Photoshop CC の新機能 | Shuffle by COMMERCIAL PHOTO
人物が異なる方向に動いているといったような「被写体ぶれ」には効果が出ない。
ベクトルマスクをクリッピングマスクに変換できますか? EPSに保存して使いたいのですが。
次の手順で行います。
ベクトルマスクに設定したパスを選択し、[パス]パネルメニューの[パスを保存]をクリック。
パスの名称を設定
[パス]パネルメニューの[クリッピングパス]をクリック。
なお、従来、クリッピングパスを作成すると、[パス]パネル上では、パス名が袋文字になりましたが、現在は、少し太字処理がかかっただけになっています。
Photoshopに[選択とマスク]がないのですが…
[選択とマスク]は、Photoshop CC 2015までは[境界線を調整]というコマンド名です。
- [境界線を調整]は、ある程度、選択範囲を作っておいてから呼び出します -[選択とマスク]は、いきなり呼び出して、その中で選択範囲を作成
セミナーの写真などで、いい感じに顔をぼかす方法はありませんか?
目のまわりだけ隠すこと、また、モザイクの値をうまく調節するとよいと思います(モザイクの値は、縮小するとモザイクが外れたように見えるので、出力解像度で確認してください)。
非破壊に対応したスピーディなワークフローを提示します。全体にフィルターをかけてから、すべてオフにして、かけたいところだけ、マスク上でなぞっていく、というフローです。
レイヤーをスマートオブジェクトに変換して、[モザイク]フィルターをかける
[レイヤー]パネルの「スマートフィルター]のサムネールをクリックして、command+I(Ctrl+I)で反転。白から黒になり、フィルターがマスクされる
ブラシプレビューで、ブラシの大きさやボケ足を調整する
白いブラシで、ボカしたい箇所をドラッグする
取り消したい場合には、黒いブラシでドラッグ
ぼかしの適用度合いを変えたい場合には、[ぼかし]の文字をダブルクリックして、ダイアログボックスを呼び出して調整する
「コンテンツに応じて塗りつぶし」がうまくいかないときがあります。
レイヤーマスクを使って、引用したくない領域を隠しておきましょう。
調整レイヤーやスマートフィルターのワークフローを改めてまとめて欲しい
本日は、次のフローでご紹介しました。
- 調整レイヤーを適用
- ブラシツールを使ってマスクを設定
このほか、次のようにも可能です。
- 選択範囲を作成(各種選択系のツールを使い、手慣れた方法で)
- 調整レイヤーを適用
- さらに、マスクを調整
Photoshopで[文字タッチツール]のようなことはできますか?
できません。
そもそも、Photoshopは、テキストを入力するツールではありませんし、それぞれのツールの得意分野を切り分けて作業するのがよいと考えます。
なお、Illustratorで入力したものをPhotoshopに持っていくには、次の方法があります。
- Illustratorでコピー、Photoshopで「スマートオブジェクト」としてペーストする
- Illustratorで[ライブラリ]パネルにドラッグ&ドロップ、Photoshopの[ライブラリ]パネルに表示されるので、そこからドラッグして配置
後者は「CCライブラリ」と呼びます。Illustrator、Photoshopのほか、InDesignやDreamweaverでも共有可能です。
- Creative Cloudライブラリを使うと、複数のIllustratorドキュメント間でアートワークをシンボルのように共有できる - DTP Transit
- Creative Cloudライブラリに関するメモ - DTP Transit
水しぶきや霧などを切り抜きする方法はりますか?
残念ながら、魔法のような方法はないですね… 「色域指定」やチャンネルなどを使って、丁寧に選択していくしかないと思います。