(2000年にリリースされた)Illustrator 9.0以降、次の機能が追加されました。これらをまとめて「アピアランス」と呼んだり、または「透明」と呼びます。
- オブジェクトを半透明に扱う(不透明度)
- オブジェクト同士の演算(描画モード)
- フィルターの仮適用(効果)
- 複数の塗り、複数の線
Illustrator 8.0までは、この「透明」という概念がないため、上記の機能を使ったものは、Illustrator 8.0までを対象としたRIP(出力機)では対応していません。
そこで、出力(場所)によっては、次の作業を行うことによって、Illustrator 8.0と同様にデータに修正します。
- 分割・統合([オブジェクト]メニューの[分割・統合])
- アピアランスの分割([オブジェクト]メニューの[アピアランスの分割])
- 透明の分割・統合([オブジェクト]メニューの[透明部分を分割・統合])
- ラスタライズ([オブジェクト]メニューの[ラスタライズ])
ただし、これを行うと、新しいバージョンで継続して編集できませんので、別ファイルとして作業を行うようにしましょう。
メニューの位置がバラバラだよな、と思ったら、Illustrator CS5まではまとまっていました。
メニュー | ざっくりとした意味 | 英語のメニュー名 |
---|---|---|
分割・拡張 | 塗りと線を別のオブジェクトにする | Expand |
アピアランスを分割 | 実際のパス形状を変更する | Expand Appearance |
透明部分を分割・統合 | 不透明度や描画モードがかかっていない状態にする | Flatten Transparency |
ラスタライズ | ビットマップ化する | Rasterize |
(上記の[ラスタライズ]では、便宜上72ppiにしていますが、印刷を前提とする際には300-350ppiに設定します。)
なお、テキストのアウトラインを行う場合には、アピアランスの分割(など)を行った後にかけるようにしましょう。